降圧薬の働き

治療薬降圧薬による治療は、併発している心臓疾患や腎臓疾患、糖尿病などの緊急性や危険性などを考慮して段階的に治療薬が選択して使用されます。一般的に降圧薬はカルシウム拮抗薬などの血管拡張薬にアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、利尿薬のどれか一つが併用されていますが、経過観察後に十分な改善が認められない場合には、薬量の増量やアンジオテンシン受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬のうち使用されていない薬剤を追加併用して治療を行います。
カルシウム拮抗薬は、血管平滑筋細胞の細胞膜電位依存性Caチャネルに作用して、細胞外から流入するカルシウムイオンを遮断する事で収縮調節蛋白の働きを阻害し、血管収縮を抑制し末梢血管抵抗を軽減して降圧作用を発揮します。 アンジオテンシンIIには、血管収縮作用や腎臓でのナトリウムと水分の排出抑制による増血作用がある為に血圧を上げる作用があります。
アンジオテンシン受容体拮抗薬は、昇圧作用を持つアミノ酸から構成されているポリペプチド生理活性物質であるアンジオテンシンIIと受容体との結合を阻害し、血管を拡張させる降圧薬です。
アンジオテンシン変換酵素阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素の働きを阻害する事で、アンジオテンシンIから産生される昇圧作用を有するアンジオテンシンIIの産生を阻害し、血管収縮作用や増血作用を抑制する降圧薬です。 利尿剤は体内の余分な水分や塩分を尿として排出する薬です。水分を排出する事で循環血液量が減少する為に、心臓の負担の軽減と共に血圧を下げます。適量であれば副作用も少ないため、併用薬として良く用いられています。

降圧作用のある食べ物

降圧作用がある食べ物と言えば、まずカリウムを含んだ食べ物です。カリウムには余分な塩分を排出して血圧を下げて、血管内の機能を正常にする効果があります。パセリは100g中に1000mgものカリウムを含んでおり、ビタミンAやビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどビタミン類も豊富で、カルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラルも含む栄養豊富な野菜です。アボカドは100g中720mgのカリウムを含んでおり、抗酸化作用のあるビタミンEも豊富なので美容にも効果があるので、高血圧の女性におすすめです。
リンゴはカリウムの他に食物繊維のペクチンを多く含みますが、高血圧の人は便秘に注意するべきなので、ペクチンで大腸の環境を整えると良いです。納豆次に納豆にも降圧作用があります。納豆にはナットウキナーゼという酵素の一種が含まれています。このナットウキナーゼは、血栓を溶かす働きを持っているので、血液がサラサラになります。血流がスムーズになると血圧が安定して高血圧を予防することができ、また納豆に含まれるレシチンは高血圧を引き起こす悪玉コレステロールを減らす効果があります。高血圧の人には肥満傾向がありますが、納豆のアディポネクチンという成分には脂肪を燃焼する作用があります。また大豆が持つサポニンには、基礎代謝をアップして小腸が糖質と脂肪を吸収するのを防ぐので、体重のコントロールが可能です。さらに玉ねぎに含まれる硫化アリルも降圧作用を持っています。硫化アリルには血液の塊を溶かして、血液中の脂質の量を減らす効果があります。強い抗酸化作用があるので、血管の老化を防ぎます。ただし加熱したり長時間水にさらすと十分に摂取できないので、調理法には注意しましょう。

降圧薬が効かない場合には漢方も効果的

高血圧そのものを治す薬というのはまだ開発されていないため、治療では降圧薬という血圧を下げる薬を使います。
あくまで高すぎる血圧を下げるために使うものであって、高血圧を根本的に治すわけではないということを理解しておきましょう。それでも降圧薬を使う理由は、高血圧に伴う命に関わる疾患を回避するためです。血圧が高い状態が続くと、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まってくるので、それを回避するためにも降圧薬が使われるということです。
高血圧は自覚症状がほとんどなく、気づいた時には進行してしまっているというケースも少なくないので、のんびりと食事療法や運動療法で治療をやっていると危険回避に間に合わないことがあります。
多くの場合に降圧薬は使用されますが、なかには降圧薬が効かない高血圧もあります。例えば、女性のホルモン異常によって起こる内分泌性の高血圧などがそれに該当します。その他には、腎臓の機能低下に伴う高血圧や睡眠時無呼吸症候群が原因の高血圧などでも薬が効かないことがあります。
降圧薬が効かない場合、漢方による治療が有効なこともあります。漢方薬のお店降圧薬は現在あらわれている症状を抑えるのが目的ですが、それに対して漢方薬は体の「気・血・水」のバランスを整えて根本的に体を回復させていくことを目的に使います。
漢方薬は降圧薬のように即効性は期待できませんが、飲んですぐに効くのではなく、飲み続けてしばらく経つと徐々に体の機能が回復してくる可能性がある薬なのです。
ポイントは「気・血・水」のバランスを整えることです。これは人によって乱れ方が異なるため、患者さんの体質、体格、症候、などの状態を診て、総合的に適切な薬を判断していきます。